…………。
「ごきげんよう」
「ごきげんよう」
さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。
絶望ブログのお庭に集う
ヲトメたちが、今日も
天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、深い色の制服。
スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。
………もちろん、
遅刻ギリギリで走り去るなどといった、
はしたないネットサーファーなど存在していようはずもない。
『絶望ブログ』。
明治三十四年創立のこのブログは、
元は
華族の令嬢のためにつくられたという、
伝統ある
カトリック系お嬢さまブログである。
東京都下。
武蔵野の面影を未だに残している
黒の多いこのブログで、
ネ申に見守られ、
幼稚舎から大学までの
一貫教育が受けられる絶望の園。
……時代は移り変わり、元号が明治から三回も改まった平成の今日でさえ、
十八年間通い続ければ
温室育ちの純粋培養
絶望野郎が
箱入りで出荷されるという仕組みが未だ残っている………
………貴重なブログである。
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………。
………
ファンの人ごめんなさい。
絶望ブログ、
純粋培養絶望野郎、こと、刀磨きです。ども。
元ネタの本は読んだこと実はないです。なんか
ボンビー友人曰くオススメらしいんですが。
今日は、センター模試でした。。。
いや、、、つらいね、浪人生。
こういう時だけ俺浪人生だなーとおもう。
……でね。
受験経験者にのみ捧ぐネタ。
センター試験。英語。
それの、最後の問題。
………
選択肢の8番が、やばいくらいいいんですよ。
センター試験の英語の最後の問題って……こう、文章題なんですが……なんつーか、、、
ハートウォーミングストーリーなんですよね。
それでね。
最後の設問っていうのは、なんか内容一致問題なんですが……。
毎度、選択肢の8番が
やばいくらい、いい言葉使いなんですわ……っ!
……ごめん、わかる人にしかわからないネタだったかも。
こう、俺とか、今回あれだからね。
問題読まずに、8番マークしたからね。
……これで、間違っても、後悔はない………
と、思う。
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*今日のブログは伏字が多いですが、
ご容赦ください。
………。
「すいませーーーん。アンケートにご協力頂けますかー?」
足を止める、俺。
難波には良く、こういうこと言ってくる人間がいる。
まぁ、大抵は、なんかの宣伝だったり、
「てめーそんなことの統計とって何するきなんだよ!?」という奴なんですが。
「………あ、はい?どうしました?」
ポケットティッシュを配られても、無視するのに快感を得る俺ですが、まぁ、基本的に
アンケートを断ったりはしない主義です。
本気で時間がないときは流石に謝って退散するときもあるけど、別段逃げたりはしない。
一応、のんびりまったり答えてあげるのが、俺の流儀であったりします。
「あのーーー、ちょっと、
娯楽についての調査なんですがー……最近
どういうところに遊びにいったりしましたかー?」
むう。
どうやら、なんか仕事以外の息抜きにどういうことしますかー?と聞いているらしい。
どこですかー?というのは、まぁ、コンサートとか海とか……そういうことをいっているのだろう。
「……えーと。。。」
少し悩む、俺。
当方浪人生。
海どころか、
大阪府からでるなんて言語道断。
……さて、どう答えるもんか。
……カラオケかなぁ、ゲーセンもそうだし、本屋で立ち読み、あとスタバとかでダチとだべったり……あ、難波のラーメン食べ歩きとかもあるなぁ……と考えていた、俺。
そして、その考えを言おうとした矢先………。
相手はいった。
「あ、いや、えーとですね。ちょっと寄るだけでもいいんですよ………たとえば………
とらの○なとか、
ゲー○ーズとか、
アニメ○トとか。」
…………。(*@益@)
(*@益@) ………え?
はーーーい。みなさん、聞きましたかーーー?
……今こいつ、
すげぇなにか偏見だしたね?
つーか、俺、こんな決めてかかられたの
初めてっすよ。
そりゃ、
ユニフォーム着て玉蹴りやる奴とか、
バンド活動してますとかに見えないのは、俺もわかってるさ。
でもよ。
なに、
この鬼断定。
完全、
「お前の娯楽なんざその程度なんだろ?とっとと答えちまえよー?」じゃねぇか。
……いや、一応言っておく。
俺は、確かに
そういうところには行く。
だが、別段そこ以外娯楽知らないわけでもなく、別段
年中ハフハフもしてない。
「………えーと、それじゃあ、
音楽とかどんなの聴きますか?」
なんか、向こうは俺の沈黙を、
日本語解釈できていないととらえたらしい。
音楽とか……っていうあたり、
完全舐めてるっぽい。
いや……そりゃ普通に聞くよ。ポップスも、洋楽も聞くよ。
聞かない奴なんているのかよ?
その態度に………なんか、俺は、
ムカッときたのです。
いやーーー
スイッチ入ったね。
刀磨き 「あ、すいません。娯楽ですよね?うーん……
ゲー○ーズとか、まんだ○けとかよく行きますね。というか、
毎日行ってます。……いやー実は、今日も、
巡礼を3セットくらいやってきたところなんですよ。」
…………。
相手 「…………あーーー、そうですかー。」
カリカリ………。
なにか、だるそうな目でメモ帳に記入しだす、相手。
相手 「音楽とかはどうですかー?普段どんな曲ききますかー?」
む。
刀磨き 「あ、それだと、
○'veサウンドとかよくききますね。あと、最近は
昔のアニソンのカヴァーとかやってるじゃないですか。それとかですねー、
桃○はる○とか、堀江○イの曲ですかねー。
ファンなんですよ、俺。」
間髪いれずに答える、俺。
相手 「………………。」
カリカリ………。
黙々と記入する、相手。
相手 「…………じゃあ………あ、なんかトルコ石のオシャレなネックレスしてますねー。あのー
オシャレとかに興味ありますかー?」
うっわー……ありがち。
刀磨き 「あー!このネックレスですかー?これは、
アイ○アっていうゲームの初回限定盤についてるネックレスでして!作中でつけている
ヒロインの奴と同じなんですよー。」
………。
難波。
地下鉄。
南海難波から近くの入り口。
無駄に重い空気。
相手が、アンケート用紙にシャープペンシルを走らせる音だけが聞こえる。
そして。
アンケートは終わった。
相手 「ご協力ありがとうございました。」
少し笑顔が疲れている相手。
なんか、足早に去る相手。
手に握っていた新娯楽情報誌のチラシは俺にはくれなかった。
そんな相手に手をふり、俺は歩き出す。
そして、数歩歩いて、内心思う。
「ぜひとも、参考にしてくれ。」
サヨナラ、俺。サヨナラ、絶望。
明日は明日の風が吹く。
『表の裏の顔、上手く使い分けられていいね。』
『……僅かながら嬉しいです』
『俺はまだ人間を捨ててないので。』
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ケダシ君、今日の一言。
(*@益@)
『一番気楽に付き合いたいなら、偏見だらけの奴と付き合いましょう。』
『相手の話題は一つしかありません。適当に口裏をあわせればクリア。』
『一番真摯に付き合いたいなら、偏見のない奴と付き合いましょう。』
『ただ……決して隙を見せないように。……取りこまれます。』